想い出話
悲しいニュースがあった。小学一年の児童が、給食に出たうずらの卵を喉に詰まらせ死亡したという。続報やSNSなどでは、今後うずらの卵を給食に出すのを控えようとか、よく噛んで食べる指導も含めての食育ではないかとかいろいろな意見が飛び交っている。…
奇妙な相性の男友達がいた。 奇妙というのは、話は合うのに何故か喧嘩ばかりしているとか、そういう意味ではない。読んでくれている人の誰ひとり、きっと想像もつかないだろう――その友人、ここでは仮に平山くんとしておこう。平山くんと私が夜いっしょにいる…
関西人は納豆を食べない、などと云われているのはよく知っているが、うちの母は京都生まれで京都育ち、成人してから大阪にいたりしたにも拘わらず、納豆が大好物だった。といっても母は夜中の仕事だったので朝食を食べるわけではなく、ふつうより早めに食べ…
大好きなバーがあった。 もう二十数年も前、まだ私が独身でひとり暮らしをしていた頃のことである。友人に誘われて行ったそのバーは、教えてもらわなければ絶対に知ることはなかったであろう住宅街の外れのなんでもない通りに、ひっそりと佇んでいた。ネオン…
新型コロナウイルスの影響で、休校中である子供の預け先に困ったり、子供だけで留守番させざるを得なかったりと大変そうな話をよく聞く最近だが――昔、たぶん二十数年か三十年ほど前までは、今ほどきちんと子供が護られていなかったような気がする。今が過保…