碧柘榴庵

-aozakuro an- ロックと映画と猫を愛する文字書きのブログです。

37万文字超……。

  “THE LAST TIME” 、ようやく連載を終え、完結した――というより、書き終えることができた。
 あれほど書き終えてからしばらく寝かせて、最初から何度も読みかえして、直しに直して……と云っていたにも拘わらず、エピローグなどは書きあげたその日のうちにアップするという……。案の定、翌朝には直す箇所をみつけてしまい、早速投稿サイトにログインして訂正をした。でもまあ、過去作品も未だにちょこちょこと使用する漢字を変えたりひらがなにしたり、矛盾点をみつけて一行そっくり削除したりしているのでもういいけど。同人誌など、紙媒体で発表している人を尊敬してしまう。私だったらページを真っ赤にして落ち込むと思う。

 投稿サイトの近況報告を書いていて、自分の小説を称するに『ノスタルジーロック趣味もろだしなんちゃって社会派欧州紀行BLもどき』というのが浮かんで、ついひとりで大笑いしつつも気に入り、そのまま書いた。男同士の恋愛を書いているし、男同士でアレコレするシーンも書くのでもちろんカテゴリはBLとしているけれど、実は私はほとんどオリジナルBL小説を読んだことがない。昔、好きな漫画やゲームの二次創作にハマって、同人サイトなどで乗算記号のつく小説を読んでいただけである。だからたぶん、としか云えないが、私の書くものは所謂BL小説、やおい小説として読者が求めるような、テンプレート的な枠からはかなり外れているのではないかと思う。
 だいたい、描きたいものが多すぎるのだ。男同士の恋愛が書きたい! という動機で書き始めるのなら多少BLらしくもなるのかもしれないが、私の場合、頭の中にまず映画のような情景が浮かんで、そこに音楽が流れている。あっ、あの曲こんなシーンに流したい、とか、あの曲のタイトルはこの章にぴったりだとか。そしてイギリスやヨーロッパ、特に最近では東欧、中欧あたりへの憧れが強くて、その景色の中を登場人物に歩かせたいとか、この料理美味しそうとか……。おまけに車やバイクも大好きなもんで、『車が走り去った方向を――』でいいものを、つい『クアトロポルテが走り去った方向を――』などとしてしまう。プロットを起こしているときも、いちばん楽しいのは登場人物の愛車を決めたり吸っている煙草を選んだり、食の嗜好を考えたりすることだ。そんな感じで、好きなものをこれでもか! というほど詰め込んでいれば、そりゃあBL小説としては要らない部分も多かろうな、と思うのである。

 わかってはいてもやめられない。もともとこれは究極のチラ裏小説なのだ。自分が読みたくて書いている、自分のための小説なのである。幼い子供の宝箱のようなものだ。おとなや他人が見ればなんじゃこりゃと思うようなものでも、本人にとってはきらきらと輝く大切なもの、大好きなものがたくさん詰まっている。

 でも、もしもその中のひとつでも、私も好きだよーと思ってくれる人がいたならば、とても嬉しい。ぜひお友達になっていただいて語りあいたい。
 というわけで、感想、ダメ出し、質問など大歓迎です……って、その前に37万文字も全部読んでくれる人いるのだろうか……(汗)